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お布施の金額が知りたい!相場に惑わされないために

こんにちは。

仏壇店で働いている あだちよ です。

今回は、お客様によく質問される「お布施」についてお話しをします。

お布施のことを相談される方は、大きく分けて2つのタイプの方がいます。

まず、一つ目のタイプは、男性に多いんですが、家のことを全て奥様任せにしていたために、お布施をはじめ、葬儀のことや納骨、仏事をどうしていいのか、何もわからないタイプの方。

そして、二つ目のタイプは、女性に多いんですが、親戚や世間体がすごく気になって、他の人より少額のお布施を入れると馬鹿にされると思っている見栄っぱりタイプの方がいます。

どちらの場合も、お布施の本当の意味を、もう少しだけ知っていれば「そんなに悩むことはないのになぁ」と、常々思うんですけどね~。

とはいえ、お布施の金額を決める時「多い、少ない」と、家族内で小さなイザコザが勃発するという話を聞く時があります。

大切な方が亡くなって悲しい気持ちの時に、金銭的トラブルは避けたいものです。

そこで、私が今までのお客様からお聞きした体験談を元に、具体的なお布施の金額をお話したいと思いますので、参考にして頂ければ嬉しいです。

お布施の具体的な金額とは

では、具体的にいくらお布施に包めばいいのか?

ここが、みなさん、一番知りたいところだと思います。

正直、地域性もありますし、お寺さんのお考えや、あなたの中の常識もあると思いますので、杓子定規に「〇〇円です」と決められませんが、私なりの目安になる計算式をご提示しておきます。

◆お布施に包む金額の計算式(あだちよ式)

あなたの年収の手取り金額÷30

なぜ、年収の手取り金額÷30という計算式を目安として、提示しているのか、実際にあった事例をご覧下さい。

◆【事例1.】若くして喪主をされたAさんの場合

お母さんと2人暮らしをしていたAさんは、ご病気でお母さんを亡くされました。

お寺の住職に、お葬式のお布施の金額をお聞きしても「お気持ちでいいですよ」と優しくおっしゃるだけで「具体的な金額がわからないんです」と困っていらっしゃいました。

会社勤めのAさんの手取りをお聞きすると、月収約13万円とのこと。

「正直、余裕のある生活ではないんです」と、困った表情でA子さんは話されました。

そこで「年収の手取り金額を計算すると156万円ですので30で割ると5万2千円になりますから、端数を切って5万円をお布施として包まれてはいかがでしょうか?」とご提案したところ「それなら、用意できると思います」と安堵の表情を浮かべられました。

本当は、5万円でも、手取り13万円のA子さんにとっては、収入の40%ですので楽な金額ではないかもしれませんが、お母さんのために、ちょっとだけ頑張った金額 というのも大事なんだと思います。

◆【事例2.】会社役員B氏の場合

会社役員をされているB氏のお父様が亡くなられました。

A子さんの時と同じで、お寺の住職に、お葬式のお布施の金額をお聞きしても「お気持ちでいいですよ」と優しくおっしゃるだけだったそうです。

「あまりにも少ないと、お寺に失礼にあたるのでは?」と悩んでいらっしゃいました。

そこで、B氏の手取りが50万円だと想定してご提案をしてみました。

「月の手取りが50万円と想定すると、年収の手取り金額は計算上600万円ですので30で割ると20万円になります。約20万円お布施として包まれてはいかがでしょうか?」と。

また、「あくまでも20万円は仮定の金額です。B氏にとって少額と感じるようでしたら、もっとたくさん包まれればいいと思います」ともお伝えしました。

すると、B氏は「そうですね。金額が明確になりました」とスッキリした笑顔を向けられました。

わかりましたか?

あなたの年収の手取り金額÷30

という、私の「お布施に包む金額の計算式」は、あくまでも数字として見せるための方法なんです。

お布施の金額は、いくらぐらいなのか?

お布施の相場は、どのくらいなのか?

ということばかり考えてても、具体的な金額は出てこないものです。

大事なのは「誰かに〇〇円と言われたから」とか「ふつうは(相場)」と言って、お布施の金額を決めるのではなく、あなたの生活基準あなたの施しの心で決められればいいということです。

また、お布施は、お寺さんとのつきあいがある以上、仏事において避けては通れません。

・通夜の席

・逮夜(たいや)

・お葬式

・戒名代

・塔婆代

・初盆

・彼岸(春)(秋)

・一周忌

・法事

この他にも、細かくあげればまだまだあります。

もし、経済的に余裕があればいくらでもお布施を包まれればいいと思いますが、生きている以上、食べたり生活するためにお金は必要です。

お寺のご住職がいつもおっしゃる「お気持ちでいいですよ」の言葉の中には「無理をしないで下さいね」という意味もあるんじゃないかと勝手に思ったりもしています。

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お布施はお寺や僧侶への謝礼ではない

お布施と聞くと、どうしても葬式や法事などで、読経をして頂いたり、戒名を授かる時などに、お寺に渡す謝礼とお考えの方が多いと思います。

謝礼と考えている以上、封筒の中に何も入れないでお渡しできないので、ついついお布施の金額の相場が気になってしまうのは、人の世の常かもしれません。

しかし、本来、お布施ににはもっと広い意味があるんですよ。

お布施の「財施」「法施」「無畏施」

お布施の本来の意味は、慈悲の心で他人に施しを与えることです。

わかります?

慈悲の心で他人に施しを与えるってことが、大切なんです。

では、かんたんに、3つの施しをお話ししますね。

◆財施(ざいせ)とは?

寺院や僧侶に対して、お世話になった人が、お金や食べ物、物品を施すことを財施と言います。

みなさんが封筒に「お布施」として包んで渡されるお金は、財施にあたります。

◆法施(ほうせ)とは?

僧侶が正しい仏法を広く多くの方に伝えることを法施と言います。

僧侶の布教やご住職の説法が法施にあたります。

◆無畏施(むいせ)とは?

人々の不安や恐怖を取り除いてあげる行いや言葉を無畏施と言います。

具体的にいうと、困っている人を助けてあげたり、不安でおびえている人を安心させてあげたりする行為も無畏施になります。

また、自分の体を使って、人に親切にしたり、慈悲の思いで奉仕を行うことは、僧侶に限らず私達一般の人にもできるお布施のひとつです。

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本来、お布施は金額ではない

よく「お寺さんにお布施の金額を聞いたら「お気持ちで」と言われて、はっきりした金額を教えてもらえないんです」と、困惑の表情で相談されるお客様もいらっしゃいます。

これって、あながち間違ってないんですよね~。

本来、お布施あなたが用意できる範囲の金額でさせて頂けばいいんです。

もちろん、1円とか10円とかは論外で、常識の範囲内の金額であるのが望ましいです。

たとえ話ですが、お釈迦様の故事に「貧者の灯」というお話があります。

◆貧者の灯(ひんじゃのともしび)

昔、国の王様が権力を使って、お寺に多額のお布施をしたんですが、お釈迦様は、貧しい生活の中からお布施として一生懸命買い求め灯した、老婆の1本のロウソクの方が価値がある。と、おっしゃったそうです。

では、現代においても「ロウソク1本を「お布施」としてお渡ししてもいいの?」と、聞かれるとむずかしいと思いますので、私は、いつも、

「故人の方もご先祖様も大切ですが、生き仏様も大切にして下さい。」とお伝えしています。

生き仏様とは、残されたご家族のことです。

故人の方やご先祖様のご供養は、もちろん大切です。

ただ、ちょっとだけ想像して頂きたいんですね。もし、あなたが亡くなった時、残された家族があなたの供養のために多額の借金をしなければいけないとします。

その借金の返済のために、生活が苦しくなり困っている姿を見て、あなたはどう思いますか?

私なら、辛いです。

残された家族が、笑顔で暮らすことも大きなご供養になると私は思っています。

こんな実話もあります。よければご覧下さい。

◆葬儀のお布施に3万円の金額しか包めなかった男の深い話◆

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あとがき

他人の財布の中なんて、わかりませんよね?

同時に、他人の家の経済状態もわからないものです。

高級外車に乗っていても火の車の経営者の方もいらっしゃいますし、つつましく生活をしている方が多額の貯金をされていてもおかしくありません。

そんな中で「親戚の人に言われたから」とか「ご近所の人はこれぐらい包んだらしい」とか、「お布施の相場は、このくらいらしい」と人と比べても仕方ないのです。

お金の価値は、みんな違うんです。

また、お葬式、お盆、お彼岸、法事などなど、お寺さんにお願いされる内容も違いますから、お布施の金額は人それぞれです。

(お寺さんによっては、きちんと料金設定を設けていらっしゃる所もあります)

それから、お布施の金額に悩むのも生きていればこその幸せです。

金額の多少に関わらずあなたが、一生懸命仏事のことを考えている姿を仏様も故人の方もご先祖様もきっと、微笑ましく見守っていらっしゃると思いますよ。

この記事が少しでも、あなたのお役に立つことと、あなたの幸せを心から祈っています。

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あだちよ

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あだちよ