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仏壇の引越しを自分でやりたい!プロが教える7つのポイント

仏壇店への問い合わせの中で意外と多いのが「仏壇の引越し」です。

家具や家財道具や電化製品だったら、業者さんに頼んだり自分で運んだりできるんだけど、
仏壇だけは、なぜか「自分でやってもいいの?」って尻込みしちゃう人が多いんです。

お客様
仏壇の引越しって自分でできますかね?

「仏壇の引越しを自分がやってバチがあたらないかな~?」とか、「ご先祖様に怒られないかな?」あなたも、そんな不安をお持ちではないですか?

確かに、日々の暮らしの中で仏壇を引越すなんてことは殆どありませんからね~。

あなたの不安な気持ちは、よ~くわかります。

でも、大丈夫! (^-^)v

正しい手順コツさえわかれば仏壇の引越しを自分ですることは可能です。

まして、心を込めて仏壇の引越しを自分でしようと思っているあなたに、バチなどあたるわけがありませんし、ご先祖様が怒られるはずがありません。

むしろ、自分で丁寧に運ぼうとするのは、喜ばれるかもしれません。

私は、これまでに何人も「自分で仏壇を引越されたお客様」を見てきましたが、どなたも幸せに暮らしていらっしゃいます。(^-^)v

とはいえ、何もわからない状態では引越し作業が進まないとおもいますので、この記事では、仏壇の引越しを自分でできるように、わかりやすく図解入りでお伝えしていきます。

但し、サイズ的に大きな仏壇など業者さんに頼んだ方が安全な場合もあります。

その目安となるサイズやポイントなども書いておきますので参考にして下さい。

同時に、宗教的にどうしても不安に感じる方も、迷わず業者さんにお願いして下さい。

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仏壇の引越しで重要な7つのポイント

仏壇を自分で引越すことを決めたら、いくつかの重要なことがあります。ポイントを7つまとめましたので、それに沿ってサクサク進めていきましょう。

仏壇の引越しで重要な7つのポイント

1.仏壇と設置場所のサイズを測ろう

2.搬出口と搬入口採寸

3.仏壇の魂抜き

4.仏壇の梱包

5.仏壇の移動

6.仏壇の飾り付け

7.仏壇の魂入れ

1.仏壇と設置場所のサイズを測ろう

まず、現在お使いの仏壇の3辺のサイズを測りましょう。

その次に、引越し先の仏壇を置きたい場所の寸法や、家具の上に置くのなら家具の上部の寸法を測り、ちゃんと仏壇が設置できるのか、数字の上で、必ず確認しておきましょう。

上記の右側のような小型仏壇は、タンスとか台の上に置くようにしましょう。

仏壇を床の上や畳の上に直置きしてはいけません。なぜなら、座って仏壇で拝む時、ご本尊様を「見下げる」形になっていまうからです。

この時点で、仏壇を置く予定のスペースより仏壇のサイズが大きい場合、置く場所を変えるとか、仏壇が入るような改造を検討しなくてはいけません。

●押入れ改造が必要な例●

また、サイズを測ってみて、個人で運ぶには危険なレベルの仏壇サイズだった場合、安全を考えて業者さんに依頼されることをおすすめします。

◎個人で運ぶには危険なレベルの仏壇サイズ

高さ  150cm以上
幅     70cm以上
奥行    60cm以上

ちなみに、仏壇の引越しを引越し業者さんに頼むと大きさや移動距離によっても多少違いますが、最低でも20,000円~50,000円以上はかかると思っておいて下さい。(人件費+運搬費)

2.搬出口と搬入口のサイズを測ろう

当たり前ですが、仏壇を引越すためには仏壇を1度家の中から出さなくてはいけません。

そのため、仏壇を運ぶための動線 を事前に考えて各移動場所のサイズを測っておく必要があります。

下記に動線をイメージして採寸した方がいい場所を書きましたので参考になさって下さい。

◎仏壇運び出し時

  • 仏壇を運び出す部屋の出入口サイズ
  • 仏壇を運び出す廊下のサイズ
  • 仏壇を運び出す玄関のサイズ

◎仏壇運び入れ時

  • 仏壇を運び入れる玄関のサイズ
  • 仏壇を運び入れる廊下のサイズ
  • 仏壇を運び入れる部屋の出入り口サイズ

上記以外にも、アパートやマンションにお住まいの方は、階段やエレベーターのサイズなども忘れずに測っておきましょうね♪

3.仏壇の魂抜き

どの仏壇にも、一番上の段に「ご本尊様」が祀ってあるはずです。
宗派によって異なりますが、こんな感じの仏像や掛軸が祀ってあると思います。

 

仏壇の魂は、このご本尊様に入っていると、どの宗派でも言われています。

※ご本尊様の「魂入れ」「魂抜き」ってなぁに?

と、思われた方のために、「7.仏壇の魂入れ」の記事下で、できる限りわかりやすくお話ししていますので、後ほどご覧になって下さい。


仏壇の引越しで、ご本尊様を仏壇の外に出しますので、お寺のご住職に頼んで「魂抜き」という法要をしてもらわなくてはいけません。

魂抜きを頼むお寺のご住職の選び方

親しくしているお寺が一番ですが、よくわからない時は、ハローページなどで、お寺を調べて「魂抜き」をしてもらえるか、直接電話してみるのが確実です。

魂抜き法要のお布施(値段)の相場は、約10,000円~30,000円くらいです。

ご住職によっては「お気持ちで・・・」と、はっきりとした金額を提示されない場合もありますが、概ね上記の金額の範囲内でしたら失礼ではありません。

そして、魂抜き法要を行う日ですが、引越しの当日は避けましょう。

ふつうに考えて、引っ越し当日は色々と慌ただしくなってしまいがちだからです。できる限り、引っ越しの2~3日前に魂抜きは済ませておいた方がベストです♪

また、彼岸時期や盆、年末は、ご住職のお務めも多くなりますので、引っ越しの日程が決まりましたら 早めにお願いされた方が希望日を押さえやすいです。

そして、実際の魂入れ供養時間は、宗派によって若干異なりますが5~10分程度です。
ですが、ご住職の送迎が必要な場合もありますし、前後のお茶の時間も考えると余裕をもって、1時間くらいと考えておいた方がいいと思います。

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4.仏壇の梱包

最近の仏壇は扉を閉じてしまえば家具のような感じで、梱包などしなくてもいいように感じるかもしれませんが「ご先祖様のお家」と思って、大切に扱いましょう。

金仏壇以外の仏壇の梱包は、サイズに違いはあるものの基本は、ほぼ同じです。

  • 仏壇の中に動くものを残さない
  • 扉が重なる部分が傷つかないようにする
  • 引出しなどが飛び出ないようにする
  • 仏壇の表面を傷つけないようにする
金仏壇は金箔や金粉の装飾が多かったり塗り仏壇で指紋や傷がつきやすいため、専門の業者さんにお願いした方が安全です。

ここでは新聞紙を使った「小型仏壇の簡単な梱包方法」を書いておきますので参考になさって下さい。

小型仏壇の簡単な梱包方法

はじめに、仏壇の今の状態を、スマホでもデジカメでもいいですので撮影しておきましょう。

こうして、画像を残しておくことで、引越し後の仏壇の飾り付けが、かなり楽になります。

記憶より記録」です。

次に、仏壇の中にある仏具は、全て取り除いて梱包しておいて下さい。

仏具の梱包は、1仏具づつ新聞紙で梱包しましょう。そして重いものを下に入れるようにしてダンボールに入れておくと運びやすいです。

また、ご本尊と位牌は、破損しやすいので仏具とは一緒に梱包しないようにしましょう。

①軽く仏壇の中と外のホコリを取ります。

こんな使い捨ての科学雑巾などで軽く軽く拭くだけでOKです。

注意:どんなに汚れがひどいくても、絶対に水拭きしたり、ゴシゴシこすったりしないようにして下さい。カビの原因になったり、傷がついたり、金箔部分が剥げる恐れがあります。

②外せる部位は、すべて外して別々に梱包して下さい。また内側の扉や引き出しなど飛び出る恐れがある部位に、詰め物を挟んで動かないようにしておきます。

この時点で、引出しの中などに入っている物があれば、すべて取り出しておきましょう。

上記の画像で、引出しの詰め物として使用しているのは、薄い発泡スチロールの梱包材の切れ端ですが、お手元にない場合は新聞紙を適当な大きさに切って折って挟んで頂いてもOKです。

③仏壇の扉を開いた状態で新聞紙を縦に2つ折りにした状態で正面に重ねます。

正面の空間を新聞紙で隠すような感じですので、手を離すと新聞は落ちてしまいます。コツは、扉を軽く内側に閉じて扉の板厚部分で新聞を押えるような感じです。

くれぐれも、テープなど使わないでくださいね。傷つきます。また、仏壇が大きい場合は、新聞紙を広げたり、2枚重ねて使って下さいね。

④扉に新聞紙を挟んで閉じる。扉を閉じた後、新聞紙を左右に開く。

イメージとしては、下図のような感じです。

扉と扉の重なり部分を傷つけないためです。

⑤最後に仏壇全体をプチプチ梱包材で包みテープで止め、荷造り用のヒモで縛れば完成です。

全体を包む梱包材(プチプチなど)は、ネットでも購入できますが、ホームセンターでも売れていますし、引越し業者さんからでも購入できます。

10mロールで購入しても1,000円未満で購入できます。

しかし、極力節約したい方は、大手家電メーカーなどに廃棄される梱包材を分けてもらえる事もありますので問い合わせてみるのもいいかもしれません。

ただし、汚れていたり、粘着テープなどが付いていると仏壇を傷つける恐れがありますので、私はオススメしません。(傷の修理の方が高くつきます)

5.仏壇の移動

仏壇の移動は、とても小さな仏壇以外は、最低でも大人2人以上で行いましょう。

家具調の小型仏壇でも、10㎏以上する仏壇もありますので、万が一、手が滑って落としてしまうとケガをする恐れがあります。

そんな落下の事故を防ぐためにも、運搬の際は、滑り止めのついた軍手を使いましょう。

5枚セットで500~700円程度で売れています。最近はコンビニでも見かけます。

仏壇を運ぶ際は、重心を下に落として、しっかり持ちましょう。

運搬に自家用車を使う場合、助手席に置き(助手席に乗せることが可能なサイズなら)、

必ずシートベルトで固定しましょう。

また、どんなに車に乗せにくくても、仏壇を横にしてはいけません!

仏壇の側面は、薄板張りで強度的に弱く、破損の原因になりやすいからです。うつ伏せも正面の扉や引出し部分が破損しやすいのでやめましょう。ただし、仰向けはOKです。

仏壇の各パーツや、ご本尊様、仏具、位牌は、壊れないように各々梱包して運びましょう。

6.仏壇の飾り付け

仏壇を運び入れたら、丁寧に梱包をほどき、安置し終えたら仏具を並べましょう。

この時に、最初に撮影しておいた仏壇の写真が役に立ちます。

毎日見ていても、いざ並べ直すとなると、曖昧な記憶に驚いたりもするものですが、写真があれば、見ながら飾り付けができるので間違えることがありません。

また、傷んでいる仏具があれば、いい機会ですので新しい物を購入されてはいかがですか?(^-^)v

7.仏壇の魂入れ

仏壇の引越し数日前に、3.で「魂抜きの法要」をしましたよね?

今度は、新居に安置した仏壇に魂入れをしなければいけません。

仏壇に仏具を並べ終えたら、お寺のご住職に、ご本尊様の「魂入れ」をお願いしましょう。

できるなら魂抜きをして頂いたご住職にお願いするのが一番いいのですが、遠方へ引越した場合、引越し先近辺のお寺にお願いした方がいいかもしれません。

その場合、魂抜きの法要同様、事前に日時を決めて依頼をしておくとスムーズな法要ができます。

魂入れ法要のお布施(値段)の相場も、約10,000円~30,000円くらいです。

「魂抜き」「魂入れ」ってなぁに?

3 と 7 で、仏壇を移動するときには「魂抜き」「魂入れ」が必要と書きました。

ここで少し補足説明をします。

(ただしこれら宗教的な儀式は、きちんとお伝えしようと思うと長く難しくなりますので、ポイントのみ簡単にご説明します。)

「魂入れ」とは、仏様の彫像や仏様の掛軸に、文字どおり「魂を入れる」ことです。

法要を行うことで、魂の入った仏像・掛軸になります。

開眼法要という言葉をお聞きになったこともあるかもしれませんが、まさに魂入れ同様、「仏様に魂が入り、目を開かれる」ということです。

一般家庭の場合、お寺さんに来ていただいて仏壇の前で魂入れのお念仏をあげていただく場合が多いものです。

また、新しく求めた仏像や掛軸をお寺に持参して、魂入れをして頂かれる方もいらっしゃいます。

「魂抜き」はその逆で、魂の入った仏様の彫像や掛軸を、一旦ただの像や掛軸に戻っていただくための法要です。通常、その後再度魂入れを行います。

もちろん、どちらも強制されるものではありません。

ただ、仏教のほとんどの宗派で通例として行われている法要のひとつで、仏壇の移動の場合も行うのが、一般的です。

まとめ

仏壇の引越しを自分でやる時のメリットデメリットも書いておきますね。

メリット
  • 引越し業者さん費用を節約できる(約20,000円~50,000円以上
  • ご先祖様を身近に感じることができる
  • 仏壇を観察する機会ができる
  • 自分のタイミングで日程を決められる
  • 今後の引越しも悩まずできるようになる

デメリット
  • 慣れない仏壇を運ぶので筋肉痛になるかも
  • 落としたり、ぶつけたりすると破損の恐れあり

上記のメリット、デメリットをよくよく考えて、仏壇を移動して下さい。

そして、あなたが新居に移られてからも、仏様やご先祖様はあたたかく見守って下さいます。

あなたの新しい生活が幸せに光輝くことを祈っています。(^-^)v

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あだちよ

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あだちよ